「その気」の力は、おそろしい

誰でも「その気」ってのになると、おそろしいほどの力を発揮するものなんだよ、というのが友人の持論でした。その説を滔滔と毎日のように聞かされて以来、私はそれを分かりやすく説く書籍を求めていました。
そして十数年を経て、ようやくその端緒に到る解説が得られました。めぐりあったのは、この本です。
自己啓発・自己管理を説く人は、しばしば仰いますよね、ものごとの計画にはタスクの優先順位を考えるのが最優先だと。確かに、それは正しいでしょう。しかし、朝から晩まで、いわゆる順序よくこなしていくという仕事術は、果たして最善の効果をあげているでしょうか。
この本の前半のあたり、第2部で説明されている「挨拶のタイミング」の項目が、最もキャッチーでしょう。まずここから読んでみませんか。
挨拶。タイミングを外すと、まったく無意味になります。ほとんどのコミュニティーにおいて、夜中に「おはよう」を言えば、昼行灯を具現化したものになりますよね。著者坂本氏の言葉でいえば「朝一番の挨拶が部下のやる気や生産性を引き出す」ということ。ものごとには、ベストなタイミングがあるんです。これって、当然だと思いませんか?
優先度に先んじる、最良の「タイミング」。時宜を察知し、そのタスクを実行するメリットと不履行のリスクを天秤にかけて、そして最良の方法で実行する。この簡単な3ステップを、22のケーススタディで理解し身につけるのが、本書の役目です。
サッと読めます。スッと分かります。いま欲しい、知りたいと思ったら、すぐに読んでください。
絶好のタイミングに、「その気」になってしまえば、もう勇気百倍。やるしかない。実行する。そして成功するんですね。