気持ちが.わかるか

太田裕美さんの歌でも、なんでも、人の気持ちが大抵わかるなんて思ってたのは小学生の頃。オレはわかってるぞ、わかってないのはそっちじゃん。なんてね。太田さんの歌なら「九月の雨」とか、渡辺真知子さんの「ブルー」とか。大人の歌が分かった気がした。
そして、大人の世界も子供の世界も、なんでもわかったような気がしていて、気がしていて、気がしているままに放っておいたから、そのまま。

形而上学的な風に見えて、さすがに不得意だったワケだよな、オレ、みたいな、それで右田*1の気持ちが分からなかったんだよな。くらもちふさこさんの「天然コケッコー」。居心地がいいのに、濃厚な味がするのに、私の胸の大きく円筒形に開いた穴を通り過ぎていく、石見*2の田園的なドラマが。

而して渡辺ペコ「ラウンダバウト」はなんだろな。昔スピリッツで読んでいた山本直樹「BLUE」のような、透けてる分身のワタシが雑誌の中に入って見える。気持ちが分かるというより、あゝその登場人物はそう言うだろうね、そう思ってるよねって、思う。
端的に「懐かしい」って言える。それがワタシにとっての、「ラウンダバウト」。スキです。

    • たんに都会人ってことですかね、オレ?
    • シラフでマンガを読んじゃダメなのか、オレ?

*1:主人公。女子高生。

*2:いわみ。隠岐でも出雲でもない島根。