『旧多賀城海軍工廠の調査』

多賀城市文化財調査報告第124集 旧多賀城海軍工廠の調査』
多賀城市教育委員会多賀城市文化遺産活用活性化実行委員会
2015年3月

津波被害により、取り壊される文化財を、直前に調査した報告書。

多賀城には、太平洋戦争中、海軍にて北日本唯一の工場が存在した。しかし、たった二年足らずの操業であったという。

昭和17年10月に完成記念式典が行われたと多賀城市史に記されているそうだが、今回の調査により、実際の開業はその一年後だそうな。

一部は往事の姿をほとんどとどめながら、多用途に転用されて、生き延びた施設があった。様々な新しい知見が得られた遺構だったが、津波で甚大な被害を受け、撤去を余儀無くされた。

なけなしの物資で無理やり戦おうとした、日本軍の末期の遺産が、こうして書籍に生まれ変わった。