2014-05-03 ノルゲ 本 佐伯一麦 『ノルゲ』 講談社 夜半に家でしか読めないので、一月半もかかってしまった。 逆に、その読むスピードが、本作品の内容のリズムに体がマッチした。ノルウェーの一年間を巡る生活の記録と言っても良さそうな私小説だ。 このスタイルは、作中にも言われる作家の当初の試みとは若干異なる。だが、それがいい。ゆっくり読み進めると、北欧と日本が同期するようだ。まるで着陸の順番待ちで窓の外を巡回する航空機を眺めているように。